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【朽ちていく名前】


 名前とは、存在意義の代名詞だ。
 名前が与えられることにより、人は証としての生を受ける。周囲に認識され、区別されるための生だ。
 それならば、名を失ったものは生を失うことになるのだろうか。もはや思い出すことも叶わない、深く沈んだ記憶と自分という証。
 俺は、ここにいようと、いまいと、永劫変わることはないのだろう。名を呼ぶものなどもう周りにはいないのだから。

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